ココナッツキング
クック諸島
ラロトンガ島
ラロトンガ島 飛行機は、オークランドから約4時間でクック諸島のラロトンガに到着した。
到着は深夜であったため、あらかじめ宿は予約してあり、空港まで迎えに来てもらうことになっていた。

さて、到着ロビーに出ると、そこには約束通りホテルのオーナー、ピリ・プルート3世(Piri Puruto V)氏が待っていたのであった。
今到着した乗客で日本人は私だけなので、氏はすぐに私のことが分かったようである。
それにしても”3世”とは、歴史を感じさせる名前である。
ピリ氏は私と握手した後、
「これでも読みながらそこで待っとれ」
と私にパンフレットを渡し、まだ到着客の出てくるゲートのへと戻っていった。
きっと他にも、ピックアップする人がいるのだろう。

椰子の実大王 手渡されたパンフレットは、ピリ氏の開催するマオリカルチャーショーを紹介するものであった。
パンフレットの表紙は、マオリの衣装を身にまとった(というより裸)ピリ氏の写真で飾られている。 ヤシノミ製ヘルメットを被っている氏の写真は、おかっぱみたいで、お坊ちゃまくんみたいで、面白い。

太陽をみよ! パンフレットの写真は面白かったが、中の文章には驚きの内容が記されていた。

『 クックアイランドのココナッツキングのショーへようこそ! 』

なんとっ!
ピリ氏がココナッツの王様であったとは。
私はピリ氏を一目見て、島でのんびり暮らすただのおやじか、と思っていたがとんでもない。
実はキングを名乗る偉いお方であったのだ。
私は氏に敬意を評し”おやじ”改め、誠に勝手ながらキングと呼ばせて頂くことにした。

てっぺんに到着 パンフレットはまだまだ続く‥‥

『 〜太陽・雨・風〜 ピリは心通わすことができる‥‥』

ややっ、なんて素晴らしい!!
自然と会話ができるとは!
さすがはキングだ。
こんなに素晴らしいお方と出会えて、私は幸せものです。

パンフの内容は多少(?)大げさに書かれているものの、内容をまとめると

1.ココナッツキングは椰子の木登りの名人である
2.ココナッツキングは椰子の木登りと、マオリの伝統料理を体験できるショーを開催している。
3.ココナッツキングは写真写りにうるさい。

ということが分かった。

さて、パンフレットを読み終えた頃、ココナッツキングが戻ってきた。
しかし客は連れていない。
もしかして、予定の客が来なかったのか?
キャンセルの連絡なしにすっぽかすとは、キングに対してなんて失礼な奴!!

と、私はキングに代わって怒りを顕にしたが、実は違って、
キングはただ単に、このパンフレットを最後の乗客が出てくるまで配っていただけなのであった。
私はビジネスクラスだったので、いち早く入国できたというのに全く意味がなかった。
いくらキングを名乗るお方であろうと、営業活動をしないと食ってはいけないようだ。

「では行くぞい」

私はココナッツキングという、凄いのかどうかよく分からない肩書きの人が経営する宿へ向け、車に乗り込んだのだった。